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組織をだめにするバイブル-サボタージュマニュアルとは【書評】

 

皆さんこんにちは。IGAです。

本日はサボタージュマニュアルという本を紹介します。

この本は、アメリカCIA(中央情報局)の前身の組織であるOSS(米国戦略諜報局:Office of Strategic Services)という組織が1944年に作成したマニュアルです。

このマニュアルの対象は、レジスタンス活動をする敵国の一般市民向けです。

一般市民でも敵国の軍事活動や組織に打撃を与えることができる工夫をまとめています。

このマニュアルは、極秘資料として非公開だったものが近年機密解除になり、一般の方でも読めるようになったです。

その内容の秀逸さと今の組織でも当てはまる項目が多くインターネットなどでバズり、日本語訳も流通するようになって、書籍化されたものになります。

 


 

サボタージュマニュアルとは

サボタージュというのは、業務や任務を怠る「サボり」の語源にもなっています。

サボタージュはフランス語の破壊行為から来ています。フランス語で安価な木靴を意味するサボから派生しています。

産業革命によって失業した労働者たちが仕事のイライラを発散させるために履いていた木靴(サボ)で作業用の機会を蹴り壊したところから「物事を壊す」「仕事を失う」意味で使われるようになりました。そこから、労働争議の一環として行われる機械設備の破壊行為をサボタージュと称するようになり、更に怠ける行為が加わりました。

このサボタージュマニュアルは、組織に対して悪影響を及ぼす破壊行為全般を目的としたマニュアルになります。

決して、日本語のサボる、のように上司に見つからず適度に手抜きをしても咎められないためのマニュアルではないです。(あればほしいですが、、、)

 

 

末端の工作員が損害を与えるには

このマニュアルは、訓練を受けたプロのスパイ工作員が相手国に対して破壊活動や妨害活動をしたり、機密情報を盗んで本国に伝えるようなものではありません。

敵国側にいる一般市民に向けたもの、というのがポイントです。

一般市民は訓練を受けていないので、技術的に高度な妨害活動はできません。

また、一般市民なので、軍事的に影響があるような施設に出入りしたり、兵器などに触れることはできないので、直接的かつ致命的な破壊活動をすることもできません。

そんな制約の中で、一般市民でも実施可能な敵国の妨害工作をまとめています。

一般市民でもできる戦時中の妨害工作は、工場などの生産拠点に対しての妨害工作や交通機関に対しての妨害、そして組織全般に対する妨害工作です。

昔の工場などの機械は、今ほど自動化されていないので人が簡単に機械をだめにすることができます。

例えば、ガソリンエンジンの燃料タンクに砂糖を入れると炭化してエンジン効率が下げる、貯蔵庫にあるスクリンプラーを誤作動させて備蓄している食料をだめにする、電源コンセントにコインなどを入れてヒューズを落とさせるなど、生産拠点の機械を破壊したり稼働率を下げることで生産性を下げることが詳細に記載しています。

直接的な軍事活動ではなく、生産拠点にダメージを与えることが敵国に対して損害を与えることになる、ということにいち早く気づきそれを実行するためのマニュアルを整備しているところが、アメリカの戦略部隊の秀逸なところです。

兵站を軽視して戦争に負けてしまった日本からすると、こういうことを体系化して組織的に動かしていた(おそらく今の同じようなことは形を変えてやっていると容易に想像できる)ことは恐ろしいです。他の国も同様なことは今もやっていそうですし、日本にはスパイ活動を防止する法律がないので、他国の工作員にいいようにやられているのでは?と想像するだけで背筋が凍る思いです。

さらにマニュアルの前半部分にある、情報が断片的にしか入ってこない一般市民の工作員に対して、モチベーションを維持するための方法や、コミュニケーションの方法についても体系化している点も感心させられます。

リモートワークとなり対面でのコミュニケーションが減ってしまった今の組織でも適用できるヒントになることが記載してあり、勉強になります。

 

 

組織に対する妨害は笑えない

最後の2章である、組織や生産に対する一般的な妨害、士気を下げ、混乱を引き起こすための一般的な工夫については、冗談抜きに笑えません。

日本の大企業や役所にはサボタージュマニュアルを熟読した工作員が至るところにいるのでは?と疑いたくなるほど、多くのことが当てはまります。

気になるところをいくつか抜粋してみました。あなたの所属する組織はいくつ当てはまるでしょうか?

 

組織妨害工作の例

      • 何事をするにも「決められた手順」を踏んでしなければならないと主張せよ。
      • 「さらなる調査と検討」のためにすべての事柄を委員会に委ねろ。委員会はできるだ大人数にせよ。
      • 通信、議事録、決議の細かい言い回しを巡って議論せよ。
      • あらゆる決断に対する妥当性について懸念を示せ。
      • 文面による指示を要求せよ。
      • 重要な仕事をするときには会議を開け。
      • 最もらしい方法で、ペーパーワークを増大させよ。
      • すべての規則を隅々まで適用せよ。
        ※サボタージュ・マニュアルより抜粋

アメリカが、組織論などが体系化されていない1944年に組織の生産性を妨げる行為を体系化してマニュアルにしていたというのも驚愕です。

そしてそれを敵国の工作員に効果があることとして実行させていたというのも恐ろしいです。

一方、どっかの国は、そんな工作を受けているのか受けていないのかは別にして、上記のことをバイブルのごとく徹底的に遂行することが仕事だと思いこんでいる人が蔓延している組織で溢れかえっている時点で笑いを通り越して悲しさがこみ上げてきます。

 

 

対策をどうすればいいか

なぜ、サボタージュマニュアルに記載されているような残念な事象が散見されてしまうのか、それを防ぐにはどうするのか、ということが疑問として沸き起こってくる方もいるかと思います。

そういう方には、なんとアンチサボタージュマニュアルという、防衛策まで書籍化されています。

意思決定のプロセス方法、ルールに従順になるあまり硬直化した対応しかできないマニュアルレイバーを防ぐ方法、仕事の範囲の明確化などの対処方法から、メールのCCに関係者を入れたがる文化を避ける方法など、あなたの組織に適応できそうな具体的な方法が記載されています。

リクエストがあれば、この本の書評も書きたいと思いますが、ぜひ皆さん自信がこの本を手にとって、自分の組織や身近なところでできる対策をとってもらえればと思います。

自分は聞いてないから反対する、前例がないからやらない、リスクが不確定なことは避ける、そういう行動をなるべく減らすことが組織全体の生産性を上げることに貢献すると信じて、勇気を持って行動をしましょう。

 

 

まとめ

この本は、前半でサボタージュマニュアル自体の解説、後半に実際のサボタージュマニュアルの日本語訳があります。

読み方としては、前半の解説は飛ばして後半から読んでいくのが良いと思います。

解説の先入観なしに読んだほうが、どういうことをOSSが展開していたのかということを楽しめると思います。

そして、その楽しみは最後になんともやりきれない思いへ変化する方も多いと思います。

特に大きな組織に属している方は、自分の組織のことについて書かれているのか?という感想を抱くことができれば、それがこの本の果たすべき役割であり、多くの人に知ってもらいたい事実だと確信しています。

 

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